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INTERVIEW
2006.11.11 UP
世界のマンガやアニメーションを、30数年の長きにわたり日本に紹介してきた評論家の小野耕世さん。アートアニメーションの分野で活躍する、たくさんの作家と出会い、交流を深めています。そんな小野さんに、まず世界と日本のアニメーションについてうかがいました。

官能的でエロチック

日本のアニメーションは、ある分野においては、世間で言われるように確かに水準が高いと思います。物語のあるものというのかな。お話を語らせたら世界一でしょう。スタジオジブリの『となりのトトロ』(1988)などは僕も好きですし、国際性も持っている。だけどそういうアニメとは別に、同じ長編でも、フランスのものなどは日本人にもアメリカ人にもつくれない、独特の感じがある。ミシェル・オスロの『キリクと魔女』(1998)なんかを見ると、まず色彩が違うデザインが違う。そして全体が、セクシーというか官能的なんですよ。男女の云々を描いた作品でなくても、普通にエロチック。

ポール・グリモーの『小さな兵士』(1947)。あれに出て来る人形の描写なども、エロチックなんですよね。『かかし』(1943)という短編も、たわいない話ですけど、やはり出て来る女性がすごくセクシーで。アメリカ的な露骨なセクシーとは違って、ただそこにいるだけでセクシーな感じがする。あれはフランス人にしかできないですね。

どうしても言わなければならないこと

それからヨーロッパの作家は、自分の人生を賭けたような重いテーマもアニメーションで描くのが上手です。例えば、人種問題も扱う。最近も、中東からの移民をどうするかということが、フランスで話題になりましたけど、そういう事を盛り込んで、若い女性が作品をつくったりするんです。イデオロギーを全面に押し出した表現にはしないけど、見ているとそういうことを扱っているんだなというのが、ちゃんとわかる。

ヨーロッパの人は、自分のなかに「どうしても言わなければならないこと」を持っているんでしょうね。日本の作品には、そういうのは少ないです。重いものを持ち込むのが苦手。趣味的な、小さな世界を描くのはうまいですけどね。一方で、アメリカにはアメリカにしかつくれない、優れたアニメがある。だからどの国が一番ということはなくて、文化的な背景の違いが出るんです。

真面目なアニメーション好き

アニメーションに対する関心の高さは日本が一番だと思います。広島国際アニメーションフェスティバル(註:1985年から隔年広島で開催する国際的なアニメーション映画祭)で、ルネ・ラルーさんが日本に来たとき驚いたらしいですよ。「こんなに僕のことを知ってる人がいる」って。本国より日本で有名なアニメーション作家は、たくさんいるんです。ロシアのアニメとかも、上映するとファンがついたりする。

それはアニメに限らず、アートに関心が高いということなんじゃないですか。だって、『イレイザーヘッド』(1977)なんて、世界中どこでも当たらなかったのに、日本でだけヒットした。だから実験映画を撮ってる人も、「日本人はわかってくれる」と評価している。そういう話を先日、高畑勳さんとしていたら、「やっぱり日本人は真面目なんですよ」って。何でも掘り下げないと気がすまない、真面目な民族気質(笑)。なるほど、と思いました。好奇心が強いというか、文化的に新しいものを見てみたいという土壌があるんでしょうね。そういうのはいいことだと思います。

日本のアニメが珍しかったころ

そうかと思うと、バットマンとか、スパイダーマンとか、映画も来るしファンも多いけど、不思議なことにマンガは全然翻訳されない。そういう点では鎖国ですよね。たぶん、マンガの描写が違い過ぎて、読みづらいんですよ。バットマンとかって、人間の骨格を知らないと描けなさそうな絵でしょう(笑)。その点、日本のマンガが世界中で翻訳されたりアニメが放映されたりするのは、「わたしたちにも描けそう」な気楽なタッチだからだと思う。誰が見ても読みやすい。フランス人なんかでも、「タンタン」より日本のマンガのほうが読みやすいっていう世代が現れているらしいです。

鉄腕アトムが、初めてアメリカに渡ったのが1963年。当時は、まだ日本のアニメが珍しかったわけだけれど、その頃子供だった人達がいま大人になってる。そうすると、そういうものに対するなじみというか好感を持っていますよね。手塚治虫がいまアメリカで、じわじわと人気なのはそういうことが背景にあるんだと思います。子供のころに親しんでいるかどうか、これは大きいと思います。

次号へ続く 2006.11.24 UP
( 2006年9月 渋谷にて TEXT:佐野由佳 PHOTO:杉本青子 )
INTERVIEW:小野耕世 Part 1 / Part 2
Profile:
小野耕世 おのこうせい

映画・漫画評論家、作家。1939年東京生まれ。国際基督教大学教養学部人文学科卒業、NHKに入社。73年に退社ののち評論家として本格的に活動を開始。現在、国士舘大学21世紀アジア学部客員教授、日本マンガ学会理事もつとめる。
2006年第10回手塚治虫文化賞特別賞受賞。
この夏、世界のアートアニメーション作家15人を取材した「世界のアニメーション作家たち」(人文書院)を上梓。「マニアックなファンだけでなく、誰が読んでも楽しい本です。より多くの人にアニメーションの面白さを知ってもらいたい」とは小野さんの弁。
その他の著書に「アメリカン・コミックス大全」(晶文社)「中国のアニメーション」(平凡社)「シネランドへおいでよ」(講談社)ほか。訳書に、アート・スピーゲルマン「消えたタワーの影なかで」(岩波書店)マイクル・ファー「タンタンの冒険 その夢と現実」(サンライズライセンシングカンパニー)など多数。熱気球パイロットでもある。

小野耕世が選んだアート・アニメーションBest 24 (前半)
 




『くもとちゅうりっぷ』
「くもとちゅうりっぷ 政岡憲三作品集」所収

残りは次回11月24日掲載

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