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INTERVIEW
佐東利穂子
2009.5.2 UP
想田和弘監督は製作・監督・撮影・録音・編集と一人ですべてをこなしている。その意味で『精神』も前作『選挙』も個人映画といえる。しかも、ナレーションも音楽も一切使わず、ひたすら「観察」していく方法で日本社会の縮図を見つめていく。そのスタイルはフレデリック・ワイズマンの映画を想起させないでもない。ワイズマンの映画も、ナレーションも音楽もなく、警察や病院いったアメリカの制度や施設などを撮っている。想田監督はワイズマンを尊敬しており、彼の映画から影響を受けたことを語っている。 (聞き手:村山匡一郎)

カメラが現実に介入する

『風花/KAZAHANA』(C) Marc Vanappelghem Rolex 2004カメラの介入が現実を変容させることには自覚的にならないといけないでしょう。ドキュメンタリーは撮り手と対象の関係を映像化することと定義できるし、被写体が変われば関係性も変わります。
『選挙』の時には「ガラスに隔てられた観察者」としての立場が守られました。被写体にカメラを無視してくれと頼むと、あたかもカメラが存在しないかのように振舞ってくれて、「忍法観察映画の術」と悦に入っていました(笑)。 宗田和弘
ワイズマンの映画ではあたかもカメラがそこに存在していないかのような印象を受けますが、ちょうど『選挙』の自民党の人たちのように、おそらくカメラがあっても存在しないかのように振舞える人たちを撮っているような気がします。

「観察」の意味が変化

佐東利穂子さん「こらーる岡山」では『選挙』と同じことができませんでした。やろうとしても誰もやらせてくれません。例えばカメラの前で「カット!  カット!」と言う患者の菅野さんには何度も「僕はここにいません」と言っても、彼は「そこにいるじゃん」という反応です(笑)。
最初は「これは困ったな」と思いました。菅野さんだけでなく、皆が同じ反応をするわけです。「僕はここにいません」といっても、まったく関係ないわけです。でも、これが僕と「こらーる岡山」の人たちとの関係なんだと思うようになりました。
想田和弘映画のなかで患者が「どうして映画を撮るのか」と聞いてきて僕が答えるところがありますが、それが賛否両論を呼んでるようです。「映画の舞台裏を見せすぎる、自意識過剰だ」ってね。でも、そのやり取りがあったからこそ、当の患者さんが「自分と健常者の間にあるカーテン云々」を話してくれたと思います。その文脈を映画に残すのは大事なことでしょう。
自分を含めた「観察」だと思います。学生時代に宗教学を学んでいた時、「参与観察」という方法を知りました。自分を観察対象のなかに身を置いて、自分も含めた状況を観察するやり方です。それに近い意味での「観察」が『精神』にはあります。

僕はピッチャー、観客はバッター

消息ナレーションは使いません。
映像というのは本来すごく多義的なものなので、同じ映像を見ても人によって受け取り方が違うわけです。その多義性が映像の強みであり、危うさであり、面白さであるので、そこは活用したいと思います。
例えばテロップでも誰々さんとか病歴とかを出してしまうと、観客はそれを読んだ瞬間に思考停止に陥ってしまうような気がします。そうではなく観客自身が「この人は誰なんだろう」と疑問を持つところから始めたいと思うわけです。
僕はピッチャーでボールを投げ、観客はキャッチャーではなくバッターだと思っています。ボールを打ち返してもらって、そのボールがどこに行くのかが面白いわけです。空振りでもいいからバットを振ってもらいたい。バットを振ることすらできない映画が現在は多すぎます。

次回作で三部作になる

想田和弘ニューヨークに暮らしていることで日本社会とはほどよい距離があって、いつも違和感を抱いています。それまで当たり前に見えたものが当たり前でなくなったり、いろいろな発見があります。僕が日本に住んでいたら『選挙』を撮ったかどうかわかりません。
次回作は平田オリザさんとその劇団についての映画です。昨年の7月から撮っていて、撮影は終りました。撮り終わった現在思うのは、『選挙』『精神』と合わせるとトリロジーになるのではないかと考えています。
『選挙』はある意味で社会の中心にいる人たちが被写体です。社会の価値観を体現している人たちともいえます。『精神』は社会の周辺にいる人たちが被写体です。いろんな人たちがいますが、人生とか世界とかに違和感を抱いていますし、それについて問い続ける人たちです。
仮タイトルで『演劇』と呼んでいる次回作は芸術家集団を観察するわけですが、彼らは中心でもなく周辺でもなくどちらの世界にもチャンネルを持っている人たちです。だから、この3つの映画を並べると多面的な日本社会が見えるのではないかと期待しています。

(2009年4月 東京にて TEXT:村山匡一郎/映画評論  PHOTO:丸山光太 )

INTERVIEW:想田和弘 Part 1 / Part 2
Profile:想田和弘
そうだかずひろ 映画監督

1970年、栃木県に生まれる。1993年からニューヨーク在住、劇映画やドキュメンタリーを制作し現在に至る。97年、学生時代に監督した短編映画『ザ・フリッカー』がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞にノミネートされる。96年には長編『フリージング・サンライト』がサン・パウロ国際映画祭・新進映画作家賞にノミネート。95年の短編『花と女』がカナダ国際映画祭で特別賞を受賞した。これまでにNHKのドキュメンタリー番組を合計40本以上演出、中でも養子縁組み問題を扱った「母のいない風景」は01年、テリー賞を受賞した。
観察映画第1弾のドキュメンタリー『選挙』(07年)は、世界中の映画祭の招待され、英BBC、米PBS、NHKなど」約200ヵ国でテレビ放送された。また、アメリカの放送界でも最も権威ある「ピーボディ賞」を受賞した。日本では、参議院選挙直前に全国劇場公開され、話題を呼んだ。
観察映画第2弾の『精神』(08年)を完成。現在、劇作家の平田オリザ氏とその劇団についての観察映画第3弾の『演劇(仮題)』を制作中。 (2009.4.18)

 

『精神』
監督・撮影・録音・編集・製作:想田和弘/製作補佐:柏木規与子/出演:こらーる岡山、パステル、ミニコラ、喫茶去のみなさん/製作:ラボラトリーX
2008年/135分/カラー/アメリカ、日本/配給:アステア
釜山国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞、ドバイ国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞、マイアミ国際映画祭・審査員特別賞、香港国際映画祭・優秀ドキュメンタリー賞を受賞
劇場公開:6月中旬より東京・シアター・イメージフォーラム、他にて全国順次公開

『選挙』
監督・撮影・編集・製作:想田和弘/製作補佐:柏木規与子/出演:山内和彦、山内さゆり、石田康博、石原伸晃、荻原健司、川口順子、小泉純一郎/製作:ラボラトリーX
2007年/120分/カラー/日本/配給:アステア
09年ピーボディ賞を受賞、ベルリン国際映画祭、シネマ・ドゥ・レエル、香港国際映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭などに招待
劇場公開:7月より東京・ライズXほか、順次再上映決定

映画『精神』公式サイト
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/

映画『選挙』公式サイト
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/

Laboratory X(想田和弘+柏木規与子)公式サイト
http://www.laboratoryx.us

 

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