2007.9.7 UP
没後20年、メディアアーティストとしてのウォーホルは見えるのか!?
合わせ鏡を覗き込むようにしてウォーホルを探す。
ウォーホルが1964年に制作した有名な映画『エンパイア』は上映時間8時間余り。上映中に出入り自由。食事して家で寝て帰って来たらまだ上映していた。それが『エンパイア』という映像作品。
しかし、これは厳密には「映像」作品ではのないかもしれない。なぜなら観客がいない時も、そこに上映され続けているということが重要な意味を持つライブ・パフォーマンスなのだから。
この不動のニューヨークのエンパイアステートビルは、たんに映っているのではなく、友人の映像作家ジョナス・メカスが5時間余り撮影したものを、映写機を遅く回し8時間余りに引き延ばしたモノクロ・フィルム映像なのだ。
他の映画にしても、ウォーホルはスクリーンに映っているものではなく、その映画がその時そこで上映される現象全体を作品と考えていたように思える。複製芸術の代表的なアーティストといわれていたにもかかわらず、映画においては。
1987年に亡くなったアンディ・ウォーホルは、いわゆる20世紀現代美術、ポップアートの代表的存在であるだけでなく、の作家としてアメリカの1960年代実験映画ムーブメントの中心にいて、1963年から1968年の制作された60本余りの作品実験映像は、その後の映像アートにも多大な影響を与えた。しかしその映画作品はアンディ・ウォーホル財団によりビデオ化、DVD化がいまだ許されていない(200本以上の映像作品がすでに修復され、デジタル保存もされていて、美術展で例外的に上映されることもあるが)。
したがって、DVD化されたアート映像を紹介するこのサイトでは、ウォーホル自身のアート映像を空欄にして、合わせ鏡を覗き込むようにしてウォーホルを探すことになる。
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