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INTERVIEW
2006.10.6 UP
前回に続くUAさんのお話は、「映像を見る」側のことから「映像に映る」側のことに。映画に出演したときの話から、書くこと、歌うことに及びました。

やっぱり私は女優ではないですし、たまたま話をもらって映画に出たりしてますけど、いまだに自分のなかで折り合いがついてないっていうか。演技というのができない。だから俳優はすごい職業だなあと思って。どうやって生活とバランスとってるんだろう。聞いてみたいくらいですね。

私でいればいい

自分の唄を歌ってもいい映像表現のときは、自ずと焦点が絞られてくるんです。だからそんな違和感がなくて、私でいればいい。

でも、映画も唄も行き先は同じなんだと思います。唄だって人がたくさん見てる前で歌うわけで、自然体でいるほうが逆に妙じゃないですか。やっぱり見られてるうえでの表現なわけだし。ただ、私は演技っていうものに対しては、その感覚がわかってない。だけど、歌だと得意なんでしょうね。結局は同じところに行く、そのプロセスにおいて、レベルがまったく女優ではないんだなと。
 自分が出た映画を見て痛感しました。スクリーンに、大きく映るために生まれてきた人っているんだと思った。もう私なんてすみません(笑)っていう感じだったです。

全体の中の一員という感覚

プロモーションビデオですか? あの場合は、また全然違うものです。本当に歌ってるわけじゃなくて、リップシンクがすごく多し、歌うというのとも、演じるということとも違う。曲によって自分がかなりプロデュースしてるか、監督にお任せしてるかによっても違う。自分の意見をすごく反映させてる場合は、映像そのものにビジョンを重ねちゃってるので、歌うときの自分にどうっていうのはなくて、全体のなかのコマのような感覚でいます。監督にお任せしてしまっているときも、そうだな、あんまり頭のなかでイメージしてないかな。そこにたくさんの人が存在して、一緒につくるものですから。自分もその一員という感覚です。

どんな瞬間でも、例えばそれはうどん屋さんであろうと、映画の現場であろうと、ベストとはいわないけどよりベターな、ハーモニーみたいなものをつくろうとしますよね。それでそのとき自分がやる役割っていうのを考えてるかな。

一生その唄を歌いたいから

逆に歌の詞を書くときっていうのは、完全にひとりじゃなきゃだめなんです。誰かがいてなんていうのは絶対無理。もうほんとに自分のイマジネーションのところに、どうやったら行けるか。自分がいるのかいないのかみたいなところまで、自分を持っていって書く。 

大半はメロディーが先にあります。だからそれを聞きながら、視覚だけじゃなくて、匂いとかも含めた、五感のすべてを総動員してつくります。感触みたいなものを感じて、そこからだんだんストーリーも映像も生まれてきて。もちろん曲もいろんなタイプがあるので、テーマが先にはっきりあってストーリーを探す場合もありますけど。いずれにしても、私はポエムとしての詩は書けない。歌詞としての詞でないと書けないタイプです。

詞を書いてるときの時間はほんとに、私にとってスペシャルです。だからそうそう簡単に書かないし、ちょっと特別な感じにしてしまっていて。それがいいのか悪いのかわからないけれども。すごい感動するんですよ。毎回泣いちゃったりとかして(笑)。だからそのぶん、なかなか書けないの。すごい苦しいは苦しい。  
 それというのも、一生その唄をずっと歌っていきたいから。ものすごく真摯に向かっていかないと、歌いたくなくなっちゃうんです。ちょっとでも嘘つくというか、つくろったりすると繰り返し歌わなくなっちゃうから。

同じ空気のなかで生まれる波動

歌っている間というのは、すごく不思議で。ものすごくかっこよく言っていいならば「メディテーション(瞑想)」に近い。かといって、あまりにも我を忘れてトランスする感じっていうのは、必ずしもベストではないと思ってるんです。自分の快感としては、トランスしちゃってるほうが、気持ちいいんですけども。

私が歌いたいことというか、ビジョンみたいなものは、CDの段階だと比重が大きいんだけど、ライブとなったときは、人対人というか場所対場所。そこで生まれてくるバイブレーションってあるじゃないですか。そこでは唄は、音でしかないから。もちろん歌詞がついていて意味があるんだけど、それより何より、そこで鳴っている、みんなと同じ空気のなかで生まれて来る波動が、そこで感じられたら最高。もうあまりビジョンをぶつけてる感じではないですね。

CDをつくるときは観客がいるわけではないし、何度も反芻できちゃうものだし。全然違うんです。詩を書いて間もないということもある。

その日の調子によるかな。例えば旅に行って、すごく心に残った思い出を歌っている唄だとすると、それがついこの間のことみたいな感触で思いながら歌うこともあるだろうし、でもまるで新たなストーリーみたいに広げて歌ってることもある。あんまり自分で、自分はこうなんだなと自覚して歌ったことはないです。

その時々で、思い描くことも自分の状態も全く違う。みんな誰でも、日常生活のなかでもそうだと思いますけれど。

( 2006年5月 駒沢にて TEXT:佐野由佳 PHOTO:杉本青子 )
INTERVIEW:UA Part 1 / Part 2
Profile:UA

1995年ビクタースピードスタジオから「HORIZON」でデビュー、翌年6月に発売した「情熱」が大ヒット。

以降、数々のシングル、アルバムでヒットを重ねる。2002年初主演映画『水の女』(テサロニキ国際映画祭グランプリ受賞作品)が公開。

ほかにNHK教育テレビ番組「ドレミノテレビ」に歌のおねえさん<ううあ>としてレギュラー出演、2004年には同番組で歌った童謡、愛唱歌20曲を集めたアルバム「うたううあ」なども発売。2005年にデビュー10周年を迎え、アルバム「Breathe」、アナザーベストアルバム「Nephews」をリリースした。

近況
2006年7月19日に菊池成孔とジャズアルバム STANDARD JAZZ ALBUM「cure jazz」を発表!

公式サイト
http://www.jvcmusic.co.jp/
ua/uauaua

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