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INTERVIEW
INTERVIEW Vol.31:リンダ・ホーグランド
2010.9.15 UP
日本に生まれた、山口県と愛媛県で宣教師の娘として育ち、アメリカの大学を卒業後、日本映画を海外に紹介するために、黒澤明や宮崎駿や深作欣二、大島渚など200作品以上の英語字幕を手がけ、今年ついにドキュメンタリー映画『ANPO』で監督デビュー。敗戦から15年目の日米安全保障条約をめぐる、日本人の怒りは芸術分野にたずさわる人々をも突き動かしました。あれから半世紀たった今、そこに大なり小なり関って生き方の原点を求めた人々の言葉を、作品は丹念に拾い集めていきます。当時の誇り高いアーティストたちに今も声援を送るリンダ・ホーグランドに『ANPO』制作の想いを聞きました。 (聞き手:瀬戸山玄)

クラスメートはいっせいに金髪碧眼の私を振り返った

坂口恭平日本人の子ども達と一緒にアメリカが広島に落とした原爆について授業で教えられた時の記憶は鮮明です。先生が原爆の悲惨さを話し終わったら、小学校4年生のクラスメートはいっせいに唯一金髪碧眼のアメリカ人を振り返った。いったいどんな野蛮な国の人達がこんな無惨なことをしたのだろう、と。
私の場合、あまりに無理があった。原爆を落とした国の私の親は宣教師としてキリスト教の方がいいんだと広めながら、子どもを日本語の学校に通わせる。しかも広島原爆は自分たちの中では完全に正当化されていた。そんな無茶苦茶な環境で私は育った。それなのにアメリカによる戦争被害を、日本人目線でいきなり子ども時代から知ることになった。大人になってからの戦争に対する興味の根底にはやはりその体験があります。

映画に描かれない進駐軍

深作欣二監督の『仁義なき戦い』(1973年)はロッテルダム国際映画祭('00年)の回顧展で初めて見ましたが。時代背景として酔っぱらった米兵が日本の若い娘を闇市の中で追いかけまわして、レイプしようとするシーン、これ日本映画の中でも非常に珍しい。なぜかといえば当時('45〜'52年)、進駐軍そのものを映画で見せるのが違法だったのです。それで黒澤明監督の『野良犬』('49年)にもその次の作品にもそうした場面は出てきません。GHQの通達で禁じられていたのです。だから進駐軍そのものを描写したらいけない。彼らが日本を去った後もそれは根深く残り、それで滅多に米兵が登場しない。 嬉野京子
戦後、進駐したアメリカ軍はとても友好的でジェントルマンだったと伝えられていますが、それは事実と違う。せっかく映画に描かれているなら、そこを『ANPO』の中で使わせてもらおうと思った。

映画に見る「安保」、「戦争」

川島雄三監督の『しとやかな獣』('62年)でもそうですが、あの映画はみんな見ていたのに、まさか安保を語っていたとは誰も覚えてなかった。私が1996年に映画字幕の仕事を始めてから、映画監督や評論家たちと話しながら「あなたの一番好きな映画は何か?」とか「戦争をテーマにした作品でいいのは何があります?」とずっと質問してきた。
日本が国家として戦争に対する謝罪をしていないということはありますが、映画をよく見て行くと、色々な映画監督がいろんな形で謝罪、あるいは自分なりに責任をとって作品化していることに気づいた。会田誠たとえば小林正樹監督の『人間の條件』('59〜'61年)は、とても露骨な形でやっているし、『上意討ち 拝領妻始末』('67年)や『切腹』('62年)を観ると、やはりファシズムに対する抵抗とかを表現している。そういう目でみると、いろんな形で色々な人が随分と作品をつくっていることに気づく。みんな直視していますね。

アーカイブ映像の使い方

編集に10ヶ月かかりました。カメラマンの山崎裕さんや監督の坂本順二さんに観てもらい歴史の本にあるようなものは分かっているから、全部捨てたほうがいいとアドバイスされました。
'60年安保の映像はドキュメンタリー作家の野田真吉さんと富沢幸男さんたちが編集、撮影したものがほとんど。最初から彼らはデモ隊の中で撮影しており、それはアーカイブ映像ではなくアーティストの記録( 『1960年6月 安保への怒り』'60年)なんです。国会の中だけニュース映像です。ニュース映像と米軍のアーカイブは極力へらし、使い方も変えています。
濱谷浩たとえば画家の池田龍雄さんが米軍兵のポートレイトを描いたときの屈辱感を語る、「いやだけど、稼がないといけないから描く」。そして、工場長みたいな人が米兵に敬礼させられているアーカイブ映像を入れる。誰もがいち早く捨ててしまうようなアーカイブ素材。あえてそれを使うことで、実はこの人は何を考えていたか、あなたにはまったく分からないのよ、と。立証ではなく、本当は何があったのか分かるような再発見がある。

見えない戦争

また、朝鮮戦争から戻った負傷兵や死傷兵を、くわえタバコで米兵がすぐ横で見ている映像があります。これが戦争の真相だよと。
死んだ兵隊の死体処理のアルバイト話は現場にいたわけでないけれど朝鮮戦争当時、画家の中村宏さんがアルバイトで食いつないでいたので、そういう話が耳に入ってという。また沖縄でもベトナム戦争中に沖縄の人たちがやらされていたという話も聞いた。それはアメリカ人として、非常にショックな体験です。
坂口恭平英雄として派遣された兵隊なのに、死んだらあまりにもぞんざいな扱われ方をする。日本人に扱われることがぞんざいという意味ではなく、母国のために命を落とした兵隊すらちゃんと処理しない。劇映画『プライベート・ライアン』('98年)みたいに、あなた一人でも必ず救出にいきますという、きれいな筋書なんかそこには無い。おそらくイラクでもアフガンでも、アメリカは今も同じようにして。ブッシュ政権の時代は誰も米兵が死んでいないことにしておくため、星条旗に包まれた死傷兵の棺桶をマスメディアに見せること自体、禁じられていましたから。
今は基本的にニューヨークで仕事をしています。日本にいた頃、自分は日本人でもアメリカ人でもないと思っていたのが、大人になってある時から両方なんだと確信をもちはじめた。ただし、愛国心もDNAもあまり好きな要素でない。そういう立ち位置にいくまでに、いろいろな葛藤がありました。
次号へ続く
(2010年8月 東京・アップリンクにて
TEXT:瀬戸山玄 PHOTO:広瀬壮太郎/office北北西
INTERVIEW:リンダ・ホーグランド Part 1 / Part 2
Profile:リンダ・ホーグランド Linda Hoaglund 
映画監督/プロデューサー・映画字幕翻訳家

日本で生まれ、山口と愛媛で宣教師の娘として育った。日本の公立の小 中学校に通い、アメリカのエール大学を卒業。2007年 に日本で公開された映画『TOKKO-特攻-』では、プロデューサーを務め、旧特攻隊員の真相を追求した。黒澤明、宮崎駿、深作欣ニ、大島渚、阪本順治、是枝裕和、黒沢清、西川美和等の監督の映画200本以上の英語字幕を制作している。

『ANPO』
監督・プロデューサー:リンダ・ホーグランド/撮影:山崎裕/編集:スコット・バージェス/音楽:武石聡、永井晶子/出演:会田誠、朝倉摂、池田龍雄、石内都、石川真生、嬉野京子、風間サチコ、桂川寛、加藤登紀子、串田和美、東松照明、冨沢幸男、中村宏、比嘉豊光、細江英公、山城知佳子、横尾忠則 / 佐喜眞加代子、ティム・ワイナー、半藤一利、保阪正康/作品:阿部合成、石井茂雄、井上長三郎、市村司、長濱治、長野重一、浜田知明、濱谷浩、林忠彦、丸木位里、丸木俊、森熊猛、山下菊二
2010年/本編89分/カラー/日本語/アメリカ、日本
劇場公開:2010年9月18日より東京・アップリンクほか、順次全国公開

●『TOKKO─特攻─
監督・プロデューサー:リサ・モリモト/共同プロデューサー:リンダ・ホーグランド/アソシエート・プロデューサー:服部史子/撮影: フランシスコ・アリワラス/アート・ディレクター: ジョー・ウー/アニメーション: ジェフ・カストロ/音響デザイン: トム・リノ/編集: マヤ・スターク/出演:江名武彦、浜園重義、中島一雄、上島武雄、大貫恵美子、森本忠夫、ジョン・ダワー、日高恒太朗、他
2007年/本編89分/カラー/英語、日本語/アメリカ、日本

リンダ・ホーグランド公式サイト
http://www.lhoaglund.com/

映画『ANPO』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/anpo/

リンダ・ホーグランドtwitter
http://twitter.com/lhoaglund

 

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