AQUIRAX CINEMA　宇野亜喜良

『お前とわたし』
監督：宇野亜喜良／撮影：池田伝一／編集：森谷浩子
1965年／モノクロ／7分
●女性の身体に描かれた繊細で官能的な線画が、身体の動きによって変化し躍動する実験アニメの秀作。

『La Fate Blance（白い祭り）』
監督：宇野亜喜良／撮影：池田伝一／制作：東洋シネマ
1964年／カラー／7分
●久里洋二、柳原良平、真鍋博の『草月アニメーション三人の会』のゲストとして、横尾忠則、和田誠とともに参加した際に作られた作品。

『午砲（ドン）』
監督：宇野亜喜良／撮影：池田伝一／編集：森谷浩子
1966年／モノクロ／7分
●宇野独特のアンニュイな女性画による幻想的な紙芝居のような作品。

●60年代、ジャンルを越えたアートの実験場であった草月アートセンター。ここで“コンテンポラリー・シリーズ”と題された催しの一環として、アート・アニメーションの発表を定期的に行っていたのが、久里洋二．真鍋博、柳原良平による「アニメーション三人の会」。64年、和田誠、横尾忠則とともにここにゲストとして招かれた宇野亜喜良は、66年までの三年間にわたり、3本のアニメーション作品を制作・発表した。日本デザインセンターを退職後フリーとなり、65年に東京イラストレーターズ・クラブに参加するなど、デザイナーからイラストレーターへの過渡期におけるこれらのフィルム作品には、宇野亜喜良のイラストレーションの真骨頂である華麗なメタモルフォシスが、惜しみなく発揮されている。女性の肌の上でエロティックにうごめく動植物、白い画面上に展開されるイマジネーションの連鎖、バロックの調べにのせたリリシズムとセンチメントが、いま甦る。