DVDの内容紹介
●1999年、青年団第35回公演「ソウル市民」
1909年、夏。日本による朝鮮半島の植民地化、いわゆる「韓国併合」を翌年に控えたソウル(当時の現地名は漢城)で文房具店を経営する篠崎家の一日が淡々と描かれる。日本から後妻に入り、いつまでも生活になじめない母。自分が何がやりたいのかわからない長男。文学に青春の情熱を燃やす長女。日がな一日、何をやっているのか分からない書生。とりとめのない話を延々と続ける女中たち。そんな篠崎家に様々な客人が現れる。
●2000年、青年団第38回公演「ソウル市民1919」
1919年3月1日、ソウル(当時の呼び名は京城)。篠崎家の人々は、今日も平凡な一日を過ごしている。ただ、今日は少しだけ外が騒がしい。噂では、朝鮮人たちが通りにあふれているという。おりしも相撲興行の一行が到着し、応接間は賑わいを見せる。オルガン練習に興じる娘たち。米増産の標語に頭をひねる書生たち。しかし、その間にも少しずつ、この家から朝鮮人が姿を消していく。
●2007年、青年団第52回公演「ソウル市民 昭和望郷編」
1929年10月24日、ソウル(当時の呼び名は京城)。篠崎文房具店にも大衆消費社会の波が押し寄せ、新しい経営感覚が求められていた。この家の長女に求婚したアメリカ帰りの新進経営者。精神を病んで入退院を繰り返している長男。総督府に勤めながら朝鮮人エリートとして植民地支配への協力に悩む書生。通り過ぎる謎の若き芸術家集団。つかの間の饗宴を楽しむような、一群の若者たち姿を鋭く描いた、ソウル市民三部作の完結編。 |