DVDの内容紹介
●伊勢をめざす旅に出た少年ワタル。奈良の山中で道に迷ったワタルは、不思議な生き物を見ます。
導かれるままに辿りついた曽爾村で、ハルという腕白な子どもに出会います。2人は、村祭りで一緒に獅子舞を見たり、
雨の中、秘密の洞窟を探検したり、ワタルは迷子になっていたことも忘れ、ハルと村中を巡ります。
彼らを傍で静かに見つめているのは、成長して曽爾村を再び訪れたワタルです。
成長した彼もまた人生の岐路に立っていました・・・。
●奈良県曽爾村は、奈良と三重の県境に位置する自然豊かな村で、約3.500uのグラウンドに現れた劇場。
刻一刻と移りゆく空の色と、山々を背景にした舞台、そこで演じる40名以上の出演者が見せる演技は、どの瞬間も同じ表情を見せない“一回性の演劇”を体現した作品です。本編では、村の歴史や、
口承による300年の伝統を持つ舞いを作品に取り入れ、この曽爾村で上演することが重要な作品となりました。
村の内外から集めた1000足の靴が、時間の流れを暗示しており、効果的な演出がされていました。
公演中は雨の日や、月も星も雲に隠れた真っ暗な日もありましたが、千秋楽は見事な満月でした。
●維新派(いしんは)
関西を拠点とし、主宰の松本雄吉を中心に、さまざまな場所で公演を行う。「漂流」や「移民」をキーワードに、1970年の創設以来、一貫してオリジナル作品を上演している。発語、踊り、音楽など、あらゆる点で世界的にも類を見ない集団で、とりわけ野外に自らの手で巨大劇場を建設するという手法は海外からも注目を集めている。
●松本雄吉(まつもと・ゆうきち)
1946年熊本県天草生まれ。大阪教育大学で美術を専攻。1970年維新派を結成。1991年、東京・汐留コンテナヤードでの野外公演「少年街」より、独自のスタイル「ヂャンヂャン☆オペラ」を確立。2000年以降は、ヨーロッパ、南米、オセアニアへのツアー、シンガポール公演など海外招聘も多数。2013年には、「レミング」(寺山修司原作)や、2013これまで朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞演出家部門優秀賞、平成20年度芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞し、2011年秋には紫綬褒章受章。 |