DVDの内容紹介
●アラキネマ『7月』は、2006年10月17日〜12月24日、東京都江戸東京博物館での企画展「荒木経惟−東京人生−」において、期間中大型スクリーンで連日上映された。
常設展示館の様々なスペースを活用してのユニークな展覧会の中で、日本橋のこちら側から上空を見上げると、そこに「7月」が流れてる。
アラキネマは、虹であり、花火であり、蜃気楼であり、天の川であり、飛行機雲であ
り、そして、天空に架かる現代の日本橋となった。
アラキネマ「7月」は、アラーキーが2006年7月に撮影した写真で構成されている。交差点、水族館、建設中のビル、パーキング、チロ、湾岸、東京タワー、路地、カラオケ、空、車戸、ボリス・ミハイロフ。アラーキーの写真人生。<赤の7月>が続く、着物、店の看板、すべり台、看板、標識、スイカ、雨に濡れた歩道---アラーキーの東京人生。そして、出雲の阿国(いずものおくに)が登場しクライマックスを迎える。きらびやかで謎に包まれた阿国の舞い。この世とあの世を繋ぐかのような舞い。そして結末は---幽玄な舞いの舞台は---。
●Arakinema:アラキネマ
映画でもなくスライドでもない。全く新しい写真表現である。写真家・荒木経惟自身の演出による写真表現を、見る側が同時体験し共有するものである。エモーショナルな動きは田宮史郎、安齋の手指による官能的なオーバーラップによってもたらされ、光を通して見るその映像に音楽が加わる。一枚の写真が光を通して闇の中にイメージを結び、次の瞬間には別の写真とオーバーラップして溶け合い混じり合い、二枚目の写真が確かなイメージを結ぶと最初の写真は闇の中に消え去る。この瞬間、この刹那、この官能。アラキネマは一つの確かなジャンルである。 |