エドワードII

陰謀と欲望が絡んだ物語と共に、同性愛に対する偏見に痛烈なメッセージを投げかけたデレク・ジャーマンの名作。

● イングランド王として新しく即位したエドワード二世は、ピアーズ・ガヴェストンに身分不相応の爵位を与えるなどの寵愛を注ぎ、享楽的な生活に耽っていた。妻を無視し王としての責任を果たそうとしないエドワードと、ガヴェストンの二人は次第に孤立していく。やがて国は内線状態に陥り、暗殺を感じ取ったガヴェストンは逃亡をはかるが捕らえられて処刑される。報せをきいたエドワードはすぐに仇を討つが、反乱軍に捕えられ幽閉される。 エドワードは暗い土牢のなかで、自らの運命を待ち受けていた・・・

● シェイクスピアと同時代の劇作家、クリストファー・マーロウの戯曲を原作に、ゲイに対する偏見に対して痛切なメッセージを正面から投げかける作品。プレミア上映されたヴェネチア国際映画祭ではティルダ・スウィントンが主演女優賞を獲得。イギリスでは91年の11月に上映され「大胆で激しく、残酷なまでに美しい。しばらくは、この作品が最高のイギリス映画となるだろう（タイムズ）」と絶賛され、ジャーマン作品の最高傑作とされた。