DVDの内容紹介
●「『営倉』は、オフブロードウェイの舞台で撮影されたアメリカの新しい映画の生々しい一片であり、ヴェネチア映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したほどの残忍なまでの信憑性を持っています。ドラマでもあり、極論でもあり、衝撃波のような音と、コダックを持ったカフカを思わせる悪夢のような雰囲気を持つこの映画は、まさにその目的を果たしている-海兵隊の留置場での過酷な一日のために、観客のシャツの前を掴み、壁から壁へと叩きつける。」──タイムマガジン、1964年9月
●「『営倉』は現代の地獄だ。そこに入った男達は慈悲の希望を捨ててしまう。ここは地獄であり、この本によれば、屈辱と残虐性が与えられた海兵隊の刑務所であり、看守と受刑者は堕落の狂った儀式を行っている...。人間の無意味な非人間性への抗議のメタファーであるケネス・H・ブラウンの『営倉』は、ニューヨークで最も重要な前衛劇団であるリビング・シアターのプロダクションとして始まった。グリニッジビレッジの2階にある小さな劇場が税金徴収人によって閉鎖されたとき、『フィルム・カルチャー』の編集者であり、『ヴィレッジ・ヴォイス』のニュー・アメリカン・シネマのレポーターでもあるジョナス・メカスは、この作品をフィルムに保存しなければならないと決意しました。そのために、演出家のジュディス・マリーナと俳優たちは、メカスのカメラのために、夜のうちに自分たちの劇場に忍び込み、最後の一回だけ(リテイクなしで)上演しなければなりませんでした...。
目が覚めた瞬間から、囚人たちは厳しい視線を浴びる。囚人たちは、看守たちによって、残忍さのための口実すら必要としないことが多いが、その間中、男たちは嘲笑され、殴られている。ブラウンは、政府の形態が男性が他の男性に他の抑制の利かない力を持つことを許可したときに、結果として生じる狂気をとても痛烈に示しています。看守はサディスティックな怪物に変えられてしまった。それが達成するのは罰ではなく、個人の破壊なのだから。」──ロサンゼルスタイムズ、1965年8月
●「舞台『営倉』が閉幕した夜、私は観に行った。ベックスは黙って出て行けと言われた。この頃になると、その舞台はとても緻密に演じられていて、人生の必然性そのものを感じさせるものだった。それを見ながら思った。これが本物の拘留所だったとしたら、私がニュースリポーターだったとしたら、アメリカ海兵隊の許可を得て、拘留所に入ってその様子を撮影したとしたら。人類の目になんという記録を残すことができるだろうか。拘留所」が演じられていたのは、私にとっては本物の拘留所だった。この考えは私の心と感覚を徹底的に支配していたので、私はその場から立ち去った。劇中で次に何が起こるのか、何も知りたくなかった。撮らなければならなかったのです。」──ジョナス・メカス
ジョナス・メカス Jonas Mekas
●1922年、リトアニア生まれ。1949年、弟のアドルファスとともにアメリカに亡命。アメリカの映像作家・詩人・実験映画のオルガナイザー。1950年代からハリウッド映画に対する批判としてニューヨークなどでさかんになった実験映画の文化を支えながら、自らも数々の映像作品を制作。とくに身辺の映像記録をもとにした「日記映画」で知られる。晩年まで母国語のリトアニア語で詩作を行い、リトアニアを代表する詩人の一人でもある。映画の代表作は『営倉』(1964年)、『リトアニアへの旅の追憶』(1971〜72年)、『ロスト・ロスト・ロスト』(1976年)、『時を数えて、砂漠に立つ』(1969年、1985年)。2019年、96 歳で亡くなる。 |