DVDの内容紹介
●モノクロームの緊縛写真にカラーペインティングをほどこされた作品で、アラキネマ「緊縛色淫」は構成されている。艶やかで鮮やかな色情、こちら側とあちら側を繋ぐ掠れた線条、したたる生命の過剰、乳白色の死情──アラーキーは言う「絵も写真と同じ、描きたいと思ったらさつと描く」と。ペインティングで一瞬にして生命の息を吹き込むアラーキー。「緊縛色情」は、死と再生の神話である。
●アラキネマ「緊縛色淫」は、2006年11月22日〜12月27日、ラットホール・ギャラリー(東京)で開催された「花とヤモリンスキー/LOVE/緊縛写巻/アラキネマ」という4つのシリーズで構成された展覧会で公開上映された。
●Arakinema:アラキネマ
映画でもなくスライドでもない。全く新しい写真表現である。写真家・荒木経惟自身の演出による写真表現を、見る側が同時体験し共有するものである。エモーショナルな動きは田宮史郎、安齋の手指による官能的なオーバーラップによってもたらされ、光を通して見るその映像に音楽が加わる。一枚の写真が光を通して闇の中にイメージを結び、次の瞬間には別の写真とオーバーラップして溶け合い混じり合い、二枚目の写真が確かなイメージを結ぶと最初の写真は闇の中に消え去る。この瞬間、この刹那、この官能。アラキネマは一つの確かなジャンルである。 |