DVDの内容紹介
●アラキネマ「花緊縛」は、2008年2月22日〜5月11日、ドイツ・ハノーバーのkestnergesellschaftで開かれた「araki meets hokusai & kumi machida」展で 初公開された。この写真展に続く、同年5月2日からのベルリン、Jablonka Galerieでの写真展には、モノクロームの緊縛を展示。2008年、ドイツのアー ト・シーンはアラーキーの緊縛で幕を開けた。収録時間20分。
●アラキネマ「花緊縛」は、6×7の写真すべてを35mmサイズに切り取ったもので構成されている。トリミングでなく、文字通り写真を切ってしまったのだ。アヴァン・ギャルド・アラーキー。ブロー・アップの気分だという。花は花芯を露にし、生々しく匂い、鼓動を響かせる。緊縛は花そのもの。花は緊縛そのもの。写真実と写虚実とが重なり合い、破壊と創造が同時に起こっている。アラーキーは どこまでもラディカルである。ドイツに緊縛をぶつけたアラーキー。2008年のドイツと緊縛が出合いどのようなウムラウトになるのか。
●Arakinema:アラキネマ
映画でもなくスライドでもない。全く新しい写真表現である。写真家・荒木経惟自身の演出による写真表現を、見る側が同時体験し共有するものである。エモーショナルな動きは田宮史郎、安齋の手指による官能的なオーバーラップによってもたらされ、光を通して見るその映像に音楽が加わる。一枚の写真が光を通して闇の中にイメージを結び、次の瞬間には別の写真とオーバーラップして溶け合い混じり合い、二枚目の写真が確かなイメージを結ぶと最初の写真は闇の中に消え去る。この瞬間、この刹那、この官能。アラキネマは一つの確かなジャンルである。 |