DVDの内容紹介
●山の谷間で船をつくる。緑の中に船がある。
森と緑にあふれた場所がダムに沈むことになりました。
ダムの建設で20万本の木々が消えることになります。
それを聞いた建築家と美術家と写真家からなるユニット・PHスタジオは
“森の引っ越し”をテーマとしたプロジェクトを思いつきます。
伐採される木で60メートル大の船をつくり、山のてっぺんに移動させる壮大な計画。
それが12年にわたる大仕事の始まりでした。
●ひとの想いもゆっくり引っ越して、村の真ん中の大きな木も大移動
村を流れる川のほとりに500年前からある大きな木。
村の人たちが「えみき」というムクの木が村を見下ろしています。
森も木も人々の想いもゆっくり動きはじめたとき、えみきの引っ越しがはじまりました。
村は上へ下への大騒ぎ。
でも、みんな、昔のお祭りを思い出して楽しんでいるようです。
えみきの引っ越しは無事に済むのでしょうか?!
そして船は、ほんとうに山にのぼることができるんでしょうか?
●たくさんの木が、船になって森に帰るまでの話。
広島県北東部の山々に囲まれた旧三良坂・吉舎・総領の3町にまたがる灰塚地域。
ここにダム建設の話が持ちあがったのが40数年前。
長い建設反対運動を経て美しいダム湖を残すために
ダムエリアの再建が始まりました。
それが「灰塚アースワークプロジェクト」です。
そのひとつがPHスタジオの「船をつくる話」。
ダムに沈む村の谷間に船をつくり、ダムにたまった水で船を動かす−。
映画はこのアートプロジェクトを静かに見守ります。
前作『ニュータウン物語』で自分が育ったコミュニティを描いた本田孝義監督は、
本作でひとつのコミュニティの中のアートプロジェクトを見つめます。
●PHスタジオ
美術家と写真家と建築家からなるユニット。発足は1984年。「家具」「家」「都市」といった既成の枠組みを「棲む」というキーワードでそれらの解体と再読を試みようとしている。活動は、美術館やギャラリーでの展覧会、野外でのプロジェクト、建築設計等、多岐にわたっている。現在のメンバーは池田修、中川達彦、小杉浩久、細淵太麻紀。2004年12月から、BankART1929の構築と運営にかかわっている。著書に作品集「PH STUDIO 1984−2002」(発行:現代企画室)がある。 |