DVDの内容紹介
● 『現在地』は変化をめぐる架空の物語です。SFみたいな。
わたしたちは、状況を変化させたいと強く望んだり、変化させなければと焦ったり、怒ったり、実際に変化に身を投じたり、それはできずにためらったり、常に冷静で穏やかであろうと努めたり、変化するしないを勇敢さ臆病さの問題として考えたり、考えなかったり、開き直ったり、自分の考えていることが正しいのかどうかの確信をどうしても欲しいと思ったり、正しい人間でいたい過ちを犯したくないと思ったり、たとえばその気持ちを過去に人類が起こした取り返しの付かない過失に準えようとしたりします。
『現在地』というフィクションの中の人物たちも、そうやって生きます。──
岡田利規
●あらすじ
とある「村」とよばれる場所に暮らす7人の女性。不吉な雲と、村が破滅するという噂。その噂をめぐる 7 人それぞれの変化をめぐる物語。破滅の 噂を信じる者、信じないと決意した者、村からの脱出に希望を見いだす者、怒りを感じながらもそこにとどまる者......。7 人の女性それぞれの不安 /葛藤/信条/希望などが、SF 的意匠を織り交ぜながらも淡々と綴られる。
●チェルフィッチュ
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。
チェルフィッチュ(chelfitsch)とは、自分本位という意味の英単語セルフィッシュ(selfish) が、明晰に発語されぬまま幼児語化した造語。
『三月の5日間』(第49回岸田國士戯曲賞受賞作品)などを経て、日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性を持つようになる。その後も言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け現在に至る。 |