●2011年以降、『現在地』『地面と床』と重厚な作品を立て続けに発表してきたチェルフィッチュが、それら「フィクション」の探求を経てつ くった新作は、日本の現代社会を象徴するコンビニエンスストアを、「軽薄に」描きます。 全編に流れるバッハの『平均率クラヴィーア 曲集第一巻』全 48 楽章に、ノッキングを起こしたような発話と動作が対応します。現代日本人の<聖地>コンビニで流れるバロック音楽 の、言葉と身体との過剰で過激なハイブリッドは、わたしたちの「現在」を、どう浮かび上がらせるのか。世界5都市国際共同製作作品 が待望のDVD化!
●あらすじ
深夜のコンビニエンスストア。仕事ができない店長。バイトの男が2人。そこに新しく入るバイトの女。常連客が毎晩購入するアイスクリームが販売を終了した。その後継商品『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』——————。現代日本人の<聖地>、コンビニで繰 り広げられる、チェルフィッチュによる「黙示録(アポカリプス)」?!
●チェルフィッチュ
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして 1997 年に設立。 チェルフィッチュ(chelfitsch)とは、自分本位という意 味の英単語セルフィッシュ(selfish)が、明晰に発語されぬまま幼児語化した造語。
『三月の5日間』(第49回岸田國士戯曲賞受賞作品)などを経て、日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノ イジーな 身体性を持つようになる。その後も言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け現在に至る。