『根ノ国』 『根ノ国』 『根ノ国』 『根ノ国』 『根ノ国』 『みんな生きなければ_』 『みんな生きなければ_』 『みんな生きなければ_』 『みんな生きなければ_』
収録作品:『根ノ国』『みんな生きなければならない』
1981、83年/合計104分/カラー/日本語/日本
『根ノ国』 制作:菊地周/監督:荒井一作/撮影:豊岡定夫/解説:浜村純/絵:菊地文太/制作:東京写真工房 1981年/カラー/24分/日本語/日本/文部省推薦
『みんな生きなければならない』 企画・撮影:菊地周/構成:亀井文夫/解説:浜島信子/音楽:福岡稔(ロス・ゴージャス)/制作:菊地文代/製作会社:東京写真工房 1983年/カラー/80分/日本語/日本
● 『根ノ国』構成 「虫」:太陽と水と空気で創りだすすべての生物はみな土に戻って、土を肥やす。土の中は虫や微生物による百鬼夜行の世界。 「虫ばかりではない」:カビの集落、酵母菌、バクテリアの集落。1グラムの土の中に1億の生命が住むという。 「小さな宇宙」:薬で死んだ土にミミズは住めない。ミミズの糞の無限に近い広がりの中でバクテリア、微小生物の生と死が繰り返されている。 「土を肥やす」:大腸菌とて立派な生きもの。驚くべき早さで増殖し、その死骸を豊かな栄養として植物の根が吸収する。 「養分の吸収」:植物の無機栄養説万能の今日、稲の植物細胞が、タンパク質である「ヘモグロビン」を直接取り込む姿を電子顕微鏡がとらえた。生きている根の回りは小さな生きものたちの生活圏である。 「根ノ国」:根がたっぷり堆肥を含んだ土の団粒構造の中に健康な勢いで伸びて行く、その根と共におびただしい毛根が発生する。その美しさと見事さの秘密は何だろうか。 健康でない根がカビに冒されるが、バクテリアの大量発生がカビの増殖を押さえ込む。根は生きていて活発な養分を細胞から細胞へ茎から葉へ、花へと送る。根は又たえず微生物の餌となる養分を出している。微生物を肥やし、微生物から養分を受け取る。正に共存、#共生の世界だ。土と共に生きてきたのは人間だけではない……。
● 『みんな生きなければならない』物語 東京都世田谷区。ここは大平さんの住居・農場であり、また、ムシたち、トリたち(野鳥)の住み家でもあります。戦前、このあたりは「田園都市」と呼ばれ、すがすがしい環境でした。 大平さんの作る野菜は、農薬も化学肥料も使わない「有機農法」です。いま、近隣の消費者グループからも熱い支持を受けています。 大平さんが、無農薬・有機農法をはじめたのには、ワケがあります。 大平さんのお父さん(十代目)は、研究熱心な篤農家でした。いち早く、ビニールハウスを開発したのもお父さんでした。はじめ、この新式ハウスは、素晴らしい成果をあげ、たちまち全国にひろがりました。ところがハウス内は風通しがわるく、アブラムシ、アオムシ、ヨトウ(夜盗)ムシなどが多発しました。そこで本式に使いはじめたのが農薬でした。ところがムシたちは抵抗し、作物の病気も多発するので、つぎつぎと強力な農薬をまぜあわせ、大量使用にふみきりました。──そして、どんな農薬も効かなくなるときはきたのです。 農薬を本式に使いはじめてから十余年、昭和43年に、さしも頑健だったお父さんは、65歳で亡くなりました。すでに、一家全員のからだに変調がおこっていました。大平さんは、その時35歳、耳は聞こえず、両目とも見えなくなり、一時は、自らの死を予感するまでになっていました。 お母さんは農薬をスッパリやめようと言いだしました。お母さんは今年95歳になる祖母とともども、無農薬時代をやり抜いてきたベテランたちです。大平さんも心機一転、伝統農法に切り替える決心をかためました……
【INTERVIEW】 村嶋 孟(銀シャリ屋 ゲコ亭) Part 1
【SPECIAL】 しあわせな食事 Part 2