DVDの内容紹介
●福島原発事故以降、放射能に不安を抱く人々の要望に応え、95歳(2012年当時)の肥田舜太郎医師は自身の広島での被爆治療経験を元に、低線量被曝、内部被曝についての講演を日本全国で重ねている。
●1945年8月8日、肥田医師は、軍医として広島陸軍病院に赴任して いた際に被爆。直後から被爆者の治療にあたることになったが、原爆の衝撃波や熱線を直接受けていない人々も原因不明の症状を発症し、次々と死んでいくのを目の当たりにする。その原因について肥田医師がある程度理解できるようになったのは、戦後30年余りも経った 1970年代になってからだった。米国が設立した原爆障害調査委員会(ABCC)は、延べ12万人の被爆者からデータを収集したが、分析結果は一切公開されないまま、すべて米国の管理下に置かれた。 原発建設の推進、冷戦下の核兵器配備を強化していたアメリカにとって、低レベル放射線や内部被曝の影響を公表されることは望ましくなかったのである。また日本政府も、内部被曝の科学的根拠を明確ではないとして、肥田医師や日本原水爆被害者団体協議会が求めていた被曝者認定の範囲を限定する立場を長年にわたって取り続けてきた。
2006年にフランス人のマーク・プティジャン監督が描いた本作は、日米両政府が広島・長崎の被爆者たちに苦難を強いてきたことを明らかにし、原爆投下から67年後、福島原発事故後の日本に生きる我々がどう生 きるかを訴えるドキュメンタリーである。 |