DVDの内容紹介
●大企業が自社のブランドを守るために取りうる手段には何があるのか?
スウェーデン人のドキュメンタリー映画製作者フレドリック・ゲルテンは、最近身を持ってこれを経験した。彼の前作『Bananas!*(第1話)』は、大企業ドール・フード会社に反旗を掲げることに成功した12人のニカラグア人バナナ農園労働者を描いたストーリーだ。そしてこの作品は2009年のロサンゼルス映画祭のコンペティション部門に選ばれた。ここまでは、全く何の問題もなかった。
●しかし、映画祭でのワールドプレミア上映に参加するためにスウェーデンを出発しようとしていたゲルテン監督のもとに、一通のメッセージが届く。それは、彼の作品をコンペ部門のノミネートから外すという映画祭実行委員会の決定だった。そして、プレミア上映の1週間前に、ロサンゼルス・ビジネス・ジャーナル紙の1面に映画について論争になりそうな誤解に満ちた記事が掲載された。その後、ゲルテン監督はドール社の弁護士から手紙を受け取った。その内容は、映画祭で上映するのなら、上映を停止するための法的措置を取るというものだった。
●ゲルテン監督は、それから起きた前代未聞の体験を映画という形で記録した。そこには、企業による嫌がらせからメディア操作まで、ドール社が行ったあらゆる手段が映し出されている。それは、名誉棄損の訴訟手続きによるプロデューサーへの攻撃や脅迫、そしてメディア統制や情報操作だ。この作品は、現代社会への警告だと捉えることもできるが、その大部分は、ドキュメンタリー映画監督であるゲルテンや彼の製作会社に起きた出来事と、ドキュメンタリー製作者の生活がどんなに危険にさらされやすいのかを描いた個人的なストーリーだ。
●この作品では、自社のやり方を通すためには手段を選ばない多国籍企業の実態を明らかにしている。それによって、言論の自由が脅かされてもかまわない。ドール社の広告代理店はこの点について「企業に対する悪い評判に耐えるぐらいなら、やましい気持ちに耐える方が簡単だ」と述べている。 |