DVDの内容紹介
●すべての生き物の命は、自然の巧みな循環に支えられています。人が手を加えなくても更新を繰り返す森、森の落ち葉を分解する微生物、分解によって発生する栄養分を運ぶ川、その水が育む稲や汽水域のプランクトン、プランクトンを食物連鎖の底辺として命をつなぐ魚や貝――。川を上る鮭は、海に溢れすぎれば害になる栄養分を陸に返しています。
しかし、この循環は断ち切られてきました。干潟を埋め立てた土地に立ち並ぶ工場、川や海を固めるコンクリート、流れをせき止めるダムや堰――。時代はそれを「開発」と呼びました。木材の生産地に変えられた山は、外材の輸入によって荒廃に追い込まれ、田畑には農薬や化学肥料が撒かれました。海にも、山にも、里にも、生産性と効率の論理が持ち込まれたのです。
私たちは、岩手・岩泉、一ノ関・室根、四国・吉野川流域の森と農村、宮城・気仙沼の海、東京湾にわずかに残った干潟・三番瀬を訪ね、山に、里に、海に生きる人びとの言葉に耳を傾けました。そして、自然の循環の中に営みを位置づける考え方に出会いました。
世界中で自然資源が失われつつある今、人と自然とのかかわり、営みと営みとのつながりを考えます。
●構成
1.開発と自然
プロローグ 人は自然に何を見たのか
海の精を届けるお塩役 宮城・気仙沼
埋められた干潟、変えられた豊饒の海 東京湾
陸の変化と富栄養化
農薬と化学肥料、生産の拡大と輸入自由化
森と人びとの営み
拡大造林と輸入される木材
山の変化の影響
増えていったダムとその目的
2.つながりの中に生きる
山と海をつなぐもの
山を生かすために
つながりの意識が変えたもの
落葉広葉樹林文化を生きる
江戸前の漁場、三番瀬
人びとの選択 多様な価値観
つながりの中に生きる
|